手話学習者のsoil-rockです。
日々仕事に、学業に、生活に、お疲れ様です。
今回は、学んだ手話をろう者に向けて表現する際に心がけていることを紹介します。ポイントは、手話表現をあきらめず、言い換えの引き出しを用意しておくこと、です。
学んだ手話をろう者に向けて実践するとき、ドキドキしますよね。自分の表出が合っているのか、言葉の順番は合っているのか、相手の目を見ながらおぼつかない手を…。なんて、懐かしい記憶です。自分が初めに出会ったろう者は手話奉仕員養成講座のろう講師。その後、サークル通いで地域のろう者に出会い、ろう者に向けて手話を出していきました。
自習のときに学んだ手話を、ろう者に向けて表出した時、相手の「じーっ」という音が聞こえてきそうな目線を一身に感じたいたたまれなさ。「伝わらなかった、この手話ではいけないの?、テレビでやっていた手話なのに…」と自分を正当化させる言葉が浮かびながら、固まっていると周囲の聴者が見かねて助け船を出してくれます。本当に、その聴者は神のようで、救われます。それほど、「伝わらなかった」というショックは大きいもの。ある人には通じても別の人には通じないということがある、ということも、学びを進めているがゆえ身をもって経験します。
しかし、イタイ思いをして終わりではありません。その時の対処法も合わせて身につけます。自分でその場の話を続けていかなくてはいけないとき、必要なのは…、言い換えです。ある言葉ひとつに対して、それと同じ意味の単語、言い回し(手話回し?)をもっていることが、ろう者との間で「・・・?」という事態になったときに自分を救います。技術的に、語彙力を増やす、という意味だけでなく、会話の幅を持たせるというメリットもあります。
日本語でも同じですよね。国語、言語学の視点で学ぶと興味深いです。言い換えについて自分が利用しているものとして、「類語国語辞典」(大野晋・浜西正人著 株式会社KADOKAWA)を利用しています。また、書籍が手元になくともある単語や出来事を言い換えたり、要約してみると言葉の伸縮力(?)が身につくと思います。だからこそ、日本語の勉強も必要なのですよね。言語学習は。学習したい言語の学習と同時に、自分の第一言語も固めていく。それゆえ学習言語習得のかせになることもあるのですが、両言語の行き来は大切。しかも、おもしろいのです。
イタイ思いをしても、構わない。得るものはありますから。